カメラを止めるな
深夜バイトを終えて、ネカフェで仮眠をとったあと、渋谷で「カメラを止めるな!」を観た
製作費用300万円ながら、口コミなどで拡散され、話題をよんだ作品だ。
冒頭30分は噂通り見苦しかった。内容も演技もめちゃくちゃなB級ホラー映画を観させられている気分であった。
しかし、冒頭の30分の映像がなんだったのか。その真意やプロセスを紐解いていく過程で、最初の違和感が解消さて笑いとなった。
作品の中で印象的だったセリフがある。
「誰も見てないって。忘れるな。作品の前に番組なんだよ、これは。」
混乱の撮影現場の中で、作品作りに夢中になる監督に番組ディレクターが放った一言である。
撮影や動画編集を大学生活の中で数多く行ってきた自分にとって、この一言はとても耳が痛い一言だった。
確かに自分が一生懸命作成しているもの、時間をかけているものを他の人は横目で見るどころか見向きもしないものかもしれない。自己満足の中で終わってしまうことに対する現実と葛藤することは頻繁にあった。
しかし、そんななかでもこの映画は完成した動画そのものよりも、その映画の完成に至るまでのプロセスに重きをおいて描かれており、それがわかることに価値があるようになっている。
固い言い方になるかもしれないが、結果だけをただ量産していくことよりもそのなかでの過程にドラマや笑い、価値があることを世の中に知らしめている作品として自分は捉えて、とても気に入った。
人生はトラブルだらけだ。その中でいかに楽しく充実したものを得られるか。そこに人生の本質があると思う。